こんにちは！僕の日常 公式 サイトの Otoha（音葉 / 男 / 兄弟・姉妹の長男）です。
今回は、子どもたちが「紙の可能性」を深く探求した素敵な取り組みをご紹介します。株式会社高速オフセットと学習塾「類塾プラス」が協力して、子どもたちの好奇心を育む共創授業が行われました。
高速オフセットが「紙の可能性」を探る探求講座に参加
高速オフセットは、大阪市西区に本社を置く印刷会社です。同社は「ワクワクする紙製品で、持続可能な世界をつくる」という目標を掲げ、「KAMIKENプロジェクト」を通じてサステナブルな紙の普及に力を入れています。このプロジェクトでは、企業のサステナブルな活動と消費者の日常を結びつける役割を担い、紙製品の製造や啓発活動を行っています。
そんな高速オフセットが、株式会社類設計室が運営する学習塾「類塾プラス」からの依頼を受け、2025年7月末から9月末までの約2か月間、探求講座に講師として参加しました。
類塾プラスの探求講座は、子どもたちが教科学習で得た知識を社会課題に応用し、仲間と共に探求する場です。高速オフセットは、「持続可能な社会の実現」という大きな課題に対し、「紙」という切り口で子どもたちと一緒に考える機会を設けたいと考え、今回の参加に至りました。
「紙の可能性」を探る共創活動の概要
今回の共創活動は、「紙の可能性」をテーマに、類塾プラスの彩都教室と茨木教室で合計9回にわたって実施されました。小学3年生から高校3年生までの子どもたち、彩都教室で21人、茨木教室で34人が参加しました。
最初の授業では、高速オフセットがこれまでの事業内容や印刷業界の現状、印刷物を作る上でのこだわりや喜びを子どもたちに伝えました。その後、「紙」が社会でどのような存在なのか、どんな役割を果たしているのか、他の媒体とどう違うのか、そして未来にどう使っていくべきかといった問いを、子どもたちの自由な発想をもとに探求していきました。
中間発表で子どもたちの多様な視点に触れる
印刷業界への理解が深まったところで、子どもたちはチームに分かれて中間発表を行いました。テーマは以下の3つから選ばれました。
-
紙が良いもの、デジタルが良いもの
-
30年後、世界から紙がなくなったらどうなるか？
-
30年後に発明される紙の新商品を創造しよう
発表では、子どもたちならではの率直な意見が多数出ました。例えば、「手紙やメッセージなど、思い入れのあるものは紙が良い」「勉強には紙が良い、記憶に残るから」といった紙の良さに加え、「一度に多くの情報を伝えたいときはデジタルが良い」「かさばらず便利でかっこいい」といったデジタルの利点も挙げられました。
また、「紙がなくなると木が増えすぎる可能性がある」「日本の伝統工芸が失われる」といった紙の存在意義に関する意見や、「デジタルと連動して、思ったことがすぐに描かれる紙」「災害時に船になる紙」「電車の外装に使われる紙」といった未来の紙のアイデアも発表されました。
この発表からは、子どもたちが「紙とデジタル」を対立するものとしてではなく、それぞれの特性を理解して使い分けるツールとして捉えていることがうかがえました。
カーボンニュートラルと「バナナペーパー」の探求
中間発表の後、授業は25年後の未来を見据えた内容へと進みました。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、高速オフセットが特に力を入れているのが「バナナペーパー（One Planet Paper®）」です。
子どもたちはバナナペーパーについて学び、その認知度を高め、より多くの人に使ってもらうための方法を最終発表に向けて考えました。
高速オフセットの社員になりきって最終発表！
最終発表のテーマは「展示会でバナナペーパーを広めるために何をするか？」でした。子どもたちは「展示会」という社会活動に触れるため、高速オフセットの社員になったつもりで企画を考案しました。来場者ターゲットを「学生または企業」とし、以下のいずれかの企画を発表しました。
-
展示ブースに立ち寄ってもらうための企画
-
展示会でバナナペーパーを広めるために配布するもの
子どもたちからは、驚くほどたくさんのアイデアが提案されました。
-
バナナの形をした「バナナおみくじ」を配布し、バナナペーパーに触れるきっかけを作る企画。
-
バナナの木をビジュアルデザインに取り入れたインパクトのあるブースで、「バナナペーパーの可能性」をキャッチコピーに魅力を伝える企画。
-
「バナナペーパー博士になろう！」をキャッチコピーに、ブース内でクイズ形式でバナナペーパーの知識を深めてもらい、アンケートとバナナペーパーのメモ帳を特典として配布する企画。
-
バナナペーパーの生産者であるザンビアの人々の生活を支える様子を動画にし、企業のブランドイメージ向上や国際会議での活用も視野に入れた企画。
これらの企画は、来場者を楽しませるだけでなく、高速オフセットの認知度向上や、キャッチコピーを軸にしたブースコンセプト、さらにはノベルティの予算感にまで言及するなど、すぐにでも実現できそうな具体的な内容でした。子どもたちの発表は、参加した大人たちにとってもワクワクするものでした。
参加者からのメッセージ
この探求講座に参加した生徒さんや講師の方々からは、以下のような感想が寄せられています。
生徒さんの感想
-
「初めて会社としての企画を考える中で、アイデアを出すことは容易ではないことが分かりました。」（中学3年生）
-
「紙は木以外からも作られることを初めて知った。」（小学4年生）
-
「企業の人にプレゼンする時に、どんな内容で、どういう風にしたら聞き手に興味をもってもらえるのかを考えるのが難しかった。」（中学2年生）
-
「企画を考える中で、バナナペーパーがザンビアの人々の生活を支えていること、日用品にもバナナペーパーが使えることを知った。」（小学6年生）
-
「初めて企業の方と関わったことで、人と関わる力が成長したと思う。」（小学4年生）
-
「企画を考えることの難しさ、楽しさ、そしてプレゼンの仕方などを学ぶことができた。いろいろなアイデアを出すことが楽しかった。」（中学1年生）
-
「今、世界で何が起こっているのか、それを踏まえてどうのように工夫して解決していくかが重要だと感じた。貴重な体験ができました。」（中学1年生）
類塾プラス 担当講師の方からの感想
-
「社会のリアル・社会と繋がる事で、生徒達は普段とは違う真剣な顔で取り組み、発表をしていました。入試制度をはじめ、教育業界も大きな変化をしている中で、類塾プラスとして時代に負けない活力ある生徒を育成していきます。」（彩都西教室 講師）
-
「私にとっても生徒たちにとっても、『企業の課題』を担うという初の体験となりました。生徒たちが課題に取り組む姿勢は、今までに見たことのないほど積極的で、一生懸命、かつ楽しそうに取り組んでいる姿が大変頼もしく感じられました。今回の取り組みを通して、生徒たちが社会を生き抜く上で必要な力が何なのかを考えるきっかけになったと感じております。その力を、私ども類塾プラスとして今後も育んでまいります。」（茨木教室 講師）
類塾プラス探求講座について
類塾プラスの探求講座では、教科学習で得た知識を活かし、社会に目を向け、歴史認識や現代の社会課題について仲間と探求します。この学びを通して、子どもたちは「なぜ学ぶのか」「将来どうなりたいのか」といった問いに向き合い、進路選択や勉強の意味について深く考えることができるようになります。現実社会に溢れる「何？」「なぜ？」の問いを見つけ出し、仲間とともに課題と答えを導き出す探求力を伸ばすための環境が用意されています。
今後の展望
総合印刷会社の高速オフセットは、これからも「KAMIKENプロジェクト」を通じて、自社だけでなく様々な企業や関連団体と連携し、啓発活動に取り組んでいくとのことです。サステナブルな社会の実現に向けて、貢献を続けていくことでしょう。
KAMIKENプロジェクトの活動については、以下のサイトで詳しく見ることができます。
今回の共創活動に関する詳細なレポートも公開されています。