皆さん、こんにちは!僕の日常 公式 サイトの Otoha(音葉 / 男 / 兄弟・姉妹の長男)です。今回は、岐阜県安八町立 結小学校で行われている、心温まるプロジェクトについてご紹介します。
“自分たちの学びが世界を支える”全校プロジェクトが本格稼働
岐阜県安八町立 結小学校では、特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトと協力し、「世界とつながる学びプロジェクト」を本格的にスタートさせました。このプロジェクトは、経済産業省の「探究・校務改革支援補助金」にも採択された、全国50校で展開されている「往還型グローバル探究学習」の一環です。

結小学校では、1年生から6年生までの全学年が「自分たちの授業の成果を、世界の誰かの役に立つ形にする」という共通の目標を持って学習を進めています。先日行われた発表会では、各学年の取り組みが「この冬、実際に海外の現場で使われるもの」として共有され、12月からの国際的な実装に向けて準備が大きく進みました。
なかよし学園プロジェクトでは、子どもたちが作ったものや考えたものを世界の現場に届け、現地からの反応(手紙、写真、動画、メッセージなど)を学校に戻す循環を「CoRe Loop(Co-create & Return Loop)」と呼んでいます。結小学校はすでにこの循環を学校全体で取り入れ始めており、子どもたちも先生方も「世界とつながっている」という実感を同時に得ているようです。

各学年のユニークな取り組み
1年生:アサガオからはじまる国際協力
1年生は、理科や生活科で育てたアサガオの花びらを集め、手作りのしおりを作りました。このしおりは、ルワンダでの教育支援授業で、現地の小学校の子どもたちの教材として実際に使われたそうです。今回の講演では、「タネをまいた」「花が咲いた」「しおりになった」「ルワンダで使われた」という一連の流れが動画で紹介され、1年生の子どもたちは「自分たちのアサガオがアフリカで誰かの学びを支えた」ということを実感したといいます。


2年生:おもちゃは“支援物資”じゃなく“友だちへのプレゼント”
2年生は、身近な素材でおもちゃを作るワークに取り組みました。ただ「ゴミから作る」のではなく、「自分が本気で楽しいと思うものを、世界のお友だちにも届けたい」という視点で開発しているのが特徴です。子どもたちは「自分たちが誇れるおもちゃ」をグループごとに設計。今後、校内で「おもちゃで遊ぶ会」を主催し、面白さを検証した上で、選ばれたおもちゃが12月以降にアジア、中東、アフリカの授業で使われる予定です。


4年生:安八町の防災を、世界の防災に
4年生は総合的な学習の時間で「防災」を探究しました。“ものがない状況でも、どう命を守るか”をテーマに、新聞紙で作るスリッパやペットボトルで作る簡易シャワーなど、限られた資材で工夫できる実用的なアイデアを形にしました。さらに、「防災BOOK」を日本語と英語でまとめ、海外の子どもたちや避難者にも命を守る方法を伝えられるように工夫しています。


5年生:安八のお米を世界へ
5年生は、地元の方々の協力を得て毎年行っているお米作りを通じて、収穫したお米で世界に食糧支援を行う予定です。この活動は、子どもたちが「困っている人の役に立てるかもしれない」と相手を意識したことで、お米作りに取り組む熱意が大きく変わったと先生は語っています。
6年生:「平和を願う」から「平和をつくる」へ
6年生は「Peace Batonプロジェクト」に参加し、平和学習絵本『はじめてのヒロシマ』を自分たちの言葉で翻訳・再編集。イラストやメッセージを添えた冊子としてまとめ、ケニア、シリア、ルワンダに届けました。これは、広島・長崎の記憶を「いま危機の中にいる地域に、平和の思いを手渡す」という形に変換した実践です。現地では、この冊子が「平和ってなんだろう?」を話し合う授業のきっかけとなり、子どもたち自身の言葉で平和を語るワークへと発展しました。


「先生が驚く成長」が起きている
中野由美校長先生は、今回の取り組みについて「現実の世界に、自分たちが飛び込むことで、子どもたちの実感がまったく変わりました。『自分の作ったものが誰かを助けている』『誰かを笑顔にできた』ということが子どもたちの中で具体化した。教員の私たちも驚くくらいでした」と評価しています。この「誰かを喜ばせることができた」という実感は、子どもたちの将来にとって確実に貴重な経験となるでしょう。結小学校では、これらの取り組みを学校全体の教育方針として継続していくとのことです。

12月から海外実装、そして“里帰り”で全校共有へ
結小学校の各学年が生み出した教材や作品、アイデアは、12月から順次、なかよし学園が活動するカンボジア、シリア、南スーダンなどで実際に使われる予定です。現地での使用の様子や感謝のメッセージ、写真、動画などは後日、結小学校に“里帰り”し、全校児童に共有されることになっています。
なかよし学園プロジェクトの中村雄一代表は、発表会の中で児童たちに「平和は“願うもの”から“行動するもの”に変わっています。君たちはもう、誰かを守る力・誰かを笑顔にする力を持っている。その力は世界とちゃんとつながっている」と伝えました。

安八町との取り組み:学校だけで終わらない、“まちぐるみの学び”へ
この「世界とつながる学びプロジェクト」は、安八町教育委員会が経済産業省の補助金を導入し、町全体で子どもたちの学びを支える形で進められています。授業の導入だけでなく、“まち全体で子どもたちの学びを支える”という設計が大きな特徴です。
7月には安八町主催の「ほほえみ座談会」が開催され、不登校や子育てに悩む保護者や教職員など約30名が集まりました。なかよし学園プロジェクトが「誰ひとり取り残されない世界〜子どもたちに『生きる』メッセージを」をテーマに登壇し、子どもが安心していられる場所をどう作るかという人権教育の視点から共有を行いました。

さらに安八町では、11月29日(土)には町の70周年記念事業として「青少年健全育成講演会・シンポジウム」が開催される予定です。テーマは「誰一人取り残されない世界〜安八町から世界へ発信〜」。このイベントでは、子どもたちの中に芽生えた人権意識や、“自分のまちの良さ”を世界に向けて発信する経験が、これからの地方創生やグローバル人材育成にどうつながるのかを、町全体で共有します。
安八町は、学校の授業を「授業だけで終わらせない」という考えのもと、子どもたちの「誰かを助けたい」「世界と関わりたい」という気持ちを、地域の課題や未来づくりと結びつけています。これにより、子どもたちの学びは単なる「学習成果」ではなく、「まちから世界に届けるメッセージ」へと進化しているといえるでしょう。

関連リンク
- 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト: http://www.nakayoshigakuen.net/npo/index.html
