【こども家庭庁 保育ICTラボ事業】聖ミカエル保育園で「保育AI」活用事例共有会を開催！子どもの成長を多角的に見つめる新たな視点

子供ものこと

皆さん、こんにちは！僕の日常 公式 サイトの Otoha（音葉 / 男 / 兄弟・姉妹の長男）です。

今回は、保育の現場に新しい風を吹き込む「保育AI」の活用事例について、心温まるニュースをお届けしますね。

大阪府豊中市・聖ミカエル保育園で「保育AI」を用いた事例共有会を実施

2025年10月30日、大阪府豊中市にある聖ミカエル保育園で、「保育AI」を活用した保育の取り組み事例を共有する「事例共有会」が開催されました。これは、保育・教育施設向けICTサービスを提供する株式会社コドモンが、大阪府豊中市と連携して進める「保育ICTラボ事業」の一環として行われたものです。

セミナーの様子

当日、豊中市内の保育施設の保育士さんや、豊中市役所の職員さんなど、合計14名が参加しました。保育ICTの活用状況の説明に加え、園児さんの特徴を保育知見に特化したAI（保育AI）に読み込ませて得られた分析結果をもとにした保育実践の共有、そして職員会議のデモンストレーションも行われたそうです。

こども家庭庁が推進する「保育ICTラボ事業」とは？

「保育ICTラボ事業」は、こども家庭庁の助成を受けて、保育ICTの導入や活用における効果的なモデルを作り、全国にその魅力を発信していくことを目指す事業です。株式会社コドモンは、大阪府豊中市と茨城県つくば市と連携してこの事業に取り組んでいます。

事例共有会の内容

この事例共有会は、市内の他の保育施設の職員さんが聖ミカエル保育園を訪れ、保育ICTや保育AIの活用状況を実際に見て、ご自身の施設での導入や活用促進の参考にしてもらうことを目的に実施されました。

聖ミカエル保育園の園長先生からは、保育ICT導入までの経緯や、導入後に保育士さんの業務負担が軽減された現状について説明がありました。ICTを導入する際には、次の3つのポイントが大切だと共有されたそうです。

  1. 2人以上の推進リーダーを決める
  2. まずは活用したい機能を試してみる
  3. 導入やさらなる活用は小さく始める

保育AIが子どもの「プラスの側面」を発見

保育AIの活用では、聖ミカエル保育園の園児さん4人の連絡帳や指導計画、園での日常の写真データなどを集め、保育AIに読み込ませて分析しました。そのデータをもとに、AIが各園児さんの現在の成長度に合わせて、長所をさらに伸ばしたり、成長を促したりできるおすすめの遊びを提案したとのことです。

この結果に対して、聖ミカエル保育園の保育士さんからは、園児さんの成長について「プラスの側面」に気づくきっかけになったという声が聞かれました。保育の現場では、どうしてもマイナスの側面に注目しがちですが、今回のAI活用によって「こんなところが成長しているんだ！」という新たな発見に繋がったと指摘されています。

会議の様子

また、保育AIが導き出した分析結果も参考に、次にどんな保育内容に取り組むかを決める職員会議のデモンストレーションも行われました。例えば、「秋の自然探検隊とどんぐり図鑑づくり」という遊びが企画されたそうです。この活動では、園庭や近隣の公園で秋の自然物（どんぐり、落ち葉、木の実）を収集し、虫眼鏡でじっくり観察。集めた自然物は大きさや形で分類・整理し、図鑑で名前を調べてオリジナルの図鑑を作成します。自然との関わりを通して「生命尊重」の心を育み、「なぜ葉っぱの色は変わるの？」といった疑問をきっかけに、友達との対話を通した学びを深め、発見の喜びを共有する保育方針が話し合われました。

参加者の声

参加された方々からは、次のようなコメントが寄せられました。

  • 子どもを見ていく中で、減点法でできないことを挙げてしまいがちだったが、AIはその子の良いところを挙げてくれていたので、子どもの見方が変わると感じた。

  • AIが出した答えのすべてが必ずしも正解というわけではないと思うので、それを鵜呑みにせずうまく「活用」していくと便利になるし、自分の知識も増えていくと思った。

  • AIだけに頼るのは良くないが、分析の結果が職員会議などに使われて、保育方針をより深めていくことができれば、今の考えてまとめるという膨大な時間が大幅に削減されるので、とても有効なツールだと感じた。

  • 特性のある園児への支援の難しさを感じており、日々「本当にこれであっているのか」という不安な気持ちを抱くこともある。そうした園児への保育方針を決める一助として、AIの分析結果を第三者の意見として参考にすることで、不安の解消にもつながるのではないかという可能性を感じた。

大阪府豊中市との取り組みの特徴

株式会社コドモンは、豊中市と保育ICTラボ事業を通じて、他にも様々な取り組みを行っています。

  • 日々の保育データを保育AIで解析し、その結果に関する保育士さん同士の議論を通じて、見取りの精度と保育の質を高めるモデル園（聖ミカエル保育園）を設定し、効果や利用実態を詳しく記録しています。

  • ICT導入や活用に不安がある園に向けて、研修の実施や相談窓口の設置も行っています。

  • 保育者同士や自治体間の交流を促す事例共有会や、事業全体の取り組み成果を発信する場を設け、実践事例を地域内外に広めています。

  • 詳細はこちらをご覧ください。
    https://www.codmon.com/column/hoiku-ictlab_3/

聖ミカエル保育園について

聖ミカエル保育園は、「子どもも大人も大切にされながら生きていく」というキリスト教精神に基づいた保育を行う認可保育園です。創立から半世紀以上の歴史を持ち、2022年からは保育・教育施設向けICTシステム「コドモン」を導入し、職員さん同士の話し合いの時間や、子どもたちと向き合う時間を増やすことで、保育の質向上に取り組んでいます。

今後について

この取り組みでは、大阪府豊中市の1施設、茨城県つくば市の2施設の合計3施設での保育ICT活用の実践を、時期ごとにそれぞれ3本の取材記事と動画で追う形で、株式会社コドモンより情報発信される予定です。保育ICT化に関心を持つ全国の保育施設や自治体の保育担当者の皆さんに、実際の効果や課題がリアルに届けられることでしょう。

株式会社コドモンの保育AIに関する考え方

株式会社コドモンでは、保育AIはあくまでツールの一つと考えています。すべての保育を保育AIに任せる「保育AIありき」ではなく、あるべき姿から適切な利活用を考えたいと願っています。保育AIは、業務の省力化や保育の質向上などに貢献する可能性を秘めている一方で、利用に対する不安の声も少なくないからです。子どもたちや保育の未来のためにどう活かしていくのか、「保育現場でのあるべき姿」をもとに、保育者の皆さんと一緒に適切な利活用を模索していきたいと考えているそうです。

株式会社コドモンについて

株式会社コドモンは、「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げ、業界シェアNo.1の保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」を提供しています。園児や児童の情報と連動した成長記録や指導案のスマートな作成、登降園管理、保護者とのコミュニケーション支援機能などを通して、先生方の業務負担を減らしています。これにより、こども施設で働く職員さんと保護者の方々が、子どもたちと向き合うゆとりを持ち、より質の高い保育ができる環境づくりを支援しています。

また、ICTによる支援だけでなく、保育施設向けECサービス「コドモンストア」、すべてのこども施設職員が利用可能な優待プログラム「せんせいプライム」、保育施設向けオンライン研修プラットフォーム「コドモンカレッジ」も展開しています。これらの多角的な取り組みを通じて、「子どもの育ちや学びを社会全体で支えられる世の中へ」というビジョンの実現を目指しています。