千葉県柏市・名戸ヶ谷小学校で「世界とつながる学びプロジェクト」講演会が開催！地域の米が世界の食糧支援に

2025年10月31日

皆さん、こんにちは！僕の日常公式サイトの Otoha（音葉 / 男 / 兄弟・姉妹の長男）です。今回は、千葉県柏市にある名戸ヶ谷小学校で行われた、とっても素敵な取り組みについてお話ししますね。

「世界とつながる学びプロジェクト」って何だろう？

2025年10月29日、千葉県柏市立名戸ヶ谷小学校で、「世界とつながる学びプロジェクト」という講演会が開かれました。これは、なかよし学園プロジェクトが経済産業省の補助金を受けて、全国で展開している「往還型グローバル探究学習」なんです。日本の子どもたちが考えた学びを世界で実践し、その成果がまた日本に「里帰り」するという、面白い教育モデルなんですよ。

柏市では、すでに柏の葉中学校や富勢東小学校でも同じような講演会が開かれていて、子どもたちが「自分たちの学びが誰かの役に立つ」ことを目指して、教材を作ったり、支援のアイデアを出し合ったりしています。名戸ヶ谷小学校もこの柏市の取り組みに加わり、学校や地域と世界を結ぶ新しい活動を本格的に始めたのです。

地域の「名戸ヶ谷米」が世界の食育に！

名戸ヶ谷小学校の5年生は、地域の米農家さんと協力して「名戸ヶ谷ブランド米」の栽培に取り組んでいます。クラスごとに「ぽんぽん米」や「ナドッコメ」といった銘柄を考え、ブランド化にも力を入れてきたんですよ。今回の講演会をきっかけに、子どもたちが心を込めて育てた餅米を、なかよし学園が海外支援の現場で活用することが決まりました。

なかよし学園は、この餅米をただ食糧として届けるだけでなく、「日本のお米はどんな味かな？」「どうやって食べると美味しいかな？」といった日本の食文化そのものを伝える食育授業として、シリア、南スーダン、コンゴ民主共和国などの子どもたちに届ける計画を立てています。

名戸ヶ谷小学校での農育が、国内の学習だけで終わらず、子どもたちの手でつくったものが国境を越え、命を支えたり、日本文化を紹介する教材になったりするなんて、素晴らしいですよね。名戸ヶ谷の田んぼから生まれた一粒のお米が、世界の子どもたちの「おいしい！」「初めて知った！」「ありがとう！」に変わる構想が、いよいよ動き出したのです。

5年生が知った世界の現実

今回の講演会では、5年生が自分たちが育てた餅米が、世界のどこへ、どんな状況の子どもたちに届くのか、という「その後のお話」を聞きました。

紹介されたのは、内戦や政情不安、自然災害の影響で、日々の食事や学校に通うことが難しい地域の子どもたちのこと。

シリア: 長い戦闘の後、「戦後0年」の状態から学校や地域を立て直そうと頑張っている子どもたちがいます。
南スーダン: 紛争による避難生活が長く続き、栄養状態が不安定な子どもたちが多く暮らしています。
コンゴ民主共和国: 武力衝突が続く地域では、子どもたちが家計を助けるために学校に通えない状況もあります。

講演では、これらの国に暮らす「同じ年ごろの子どもたち」の日常が、写真や具体的なエピソードとともに語られました。名戸ヶ谷小学校の子どもたちは、世界の現実がテレビの向こうの「かわいそうな誰か」ではなく、「これから自分たちのお米を食べる相手」として、より具体的にイメージできたようです。

子どもたちからは「すぐにでも何かしたい！」「今できることで応援したい！」という声がたくさん上がりました。全国の小中高生が防災カルタや平和カルタ、衛生教材、手作りのプレゼントなど、さまざまな支援のアイデアを形にしている例にも、大きな関心が寄せられたそうですよ。

「教室から世界が動き始める」校長先生の言葉

名戸ヶ谷小学校の津久井智洋校長先生は、今回の取り組みについて、次のように語っています。

「教室から世界のことが始まっていき、プロジェクトを通して『自分たちには未来を変える力がある』と子どもたちが思えるような経験になっていくと感じました。名戸ヶ谷という地域で育ったお米が、どこか遠くの子の“元気のもと”になり、その気持ちがまた名戸ヶ谷に返ってくる。この循環は、子どもたちにとって大きな自信になるはずです。」

津久井校長先生は、今回5年生から始まった取り組みを、3学期には全校で共有する方針を示しました。なかよし学園は3学期に、世界各国で実際に名戸ヶ谷米が活用された支援や食育の様子を記録し、名戸ヶ谷小学校にフィードバックする予定です。この「里帰り報告」は、全校の子どもたちが「自分も参加している！」と実感できる、素敵な仕組みになるでしょうね。

「平和は願うものから、行動するものへ」

講演会の後半では、なかよし学園代表の中村雄一さんが、子どもたちに大切なメッセージを伝えました。

「平和は“願うもの”から“行動するもの”に変わったんだよ。今、日本全国50の学校で、君たちと同じ世代の子どもたちが、世界に向けてアクションを起こしている。名戸ヶ谷のみんなにも、同じことができる。」

中村さんは、世界の紛争地や貧困地域での授業や支援の現場から、「戦争は“ちがい探し”から始まるけれど、“同じを見つける”ことで止めることができる」「平和は特別な誰かの仕事ではなく、誰でもつくれる」という考え方を共有しました。子どもたちは、スクリーンに映し出された現地の子どもたちの表情や、他校の小中学生が実際に形にした取り組み（教材作成、手紙、食支援など）を、真剣な眼差しで見つめていたそうですよ。

柏市全体に広がる「CoRe Loop」の学び

名戸ヶ谷小学校の取り組みは、すでに柏市内で広がりつつある活動の一部です。柏の葉中学校では、生徒が考えたテーマを世界の現場とつなげる授業が始まり、富勢東小学校では、低学年の子どもたちが「自分たちにもできる国際支援」を真剣に考え始めています。なかよし学園は柏市教育委員会とも協力し、柏エリア全体を「グローバル探究のモデル都市」として育てる構想を共有しています。

この活動の中心にあるのは、なかよし学園が提唱する「CoRe Loop（Co-create & Return Loop）」という往還型の学びの循環モデルです。

CoRe Loopの循環